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【特集】重量級の意地見せた! 磯川孝生(徳山大職)が96s級で銅メダル【2010年5月13日】


 【ニューデリー(インド)、増渕由気子】 男子フリースタイル96s級の磯川孝生(徳山大職)が日本重量級に希望の銅メダルをもたらした(右写真=磯川と小平清貴コーチ)

 5月に入って2度目のビッグマッチ。国内で安定した力を誇る磯川は「僕はアジア選手権にピークを持ってきました」と、海外に焦点を置いていた。

 その調整がピタリとはまった。初戦は北朝鮮選手との対戦。相手のデータは乏しく、「軽量級に強い選手がいる国なので」と少々不安があった。第1ピリオドは早々に片足タックルで先制するが、第2ピリオドは「相手に合わせてしまった」とクリンチになり、相手の優先権を生かされてピリオドスコアを1−1とされてしまった。ここで磯川のスイッチが入った。「ハッ!」と気合を入れると、第3ピリオドは相手を押し出して1点。重量級の鬼門である初戦を突破した
(左下写真)

 2回戦は、強豪のイラン選手と対戦しストレートで敗退。だが第2ピリオドの立ち上がりに先制したのは磯川と意地は見せた。敗者復活戦、3位決定戦と「自分のレスリングができた」と危なげない勝利。「小平清貴コーチが、僕にストレスがかからないように調整に付き合ってくれた」と、かつてはライバルでもあった一番の理解者のコーチに感謝を述べた。

 磯川は現在、徳山大の職員。レスリングをすることに多少の優遇はされてるものの、全日本選抜選手権、そしてインド遠征と約3週間も仕事に穴を空けているのが現状だ。「大学を卒業しても、こうやって現役を続けられている。本当に職場には感謝の気持ちでいっぱい。勝つことが報いだと思っているので、銅メダルを手土産にできて嬉しい」と笑顔を見せた。


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